研究概要
タイトル演出技法を発問と役割演技に応用した、多様な感性を引き出す道徳教育手法の実践的開発
研究代表者蓮行(京都大学 経営管理大学院特任 准教授)
共同研究者藤川 信夫(大阪大学大学院人間科学研究科 教授)渡辺 貴裕 (東京学芸大学教職大学院 准教授) 川島 裕子 (関西大学総合情報学部 准教授)末長英里子(京都大学 経営管理大学院特任助教)紙本 明子(大阪大学特任研究員・劇団衛星)F.ジャパン(劇団衛星)
研究期間2020年度〜2023年度本研究は、令和2年度 (2020年度) 科学研究費補助金(基盤研究C)の取り組みとして実施されました。
研究活動の紹介
研究課題子供達の発達度や考え方の 多様性を包摂し、真に多面的・多角的に考えさせる道徳教育はいかなる方法で達成できるのか?
・現行の道徳教育の構造が、資料の登場人物の心情や行動を「ごもっとも」なこととして受け入れさせるものであり、どのように感じ、考え、発言したら良いかの「筋書き」が子供に見えてしまうため、本音で考えた真剣な議論にならない*1・小学校高学年から中学校の発達段階では他者と異なることが排除要因となる傾向があり、これが多様な意見表出の障害となる可能性がある*2・役割演技等の表現活動に抵抗感を示す中学生が多い*3 *1藤井千春「我が国における道徳教育の展開」佐野安仁・荒木紀幸編著『道徳教育の視点』(第4版第1刷)晃洋書房, 2018
*2中村美智太郎, 鎌塚優子, 上野博史: 道徳教育における現代的課題に対応したケース開発と実践の検討, 静岡大学教育実践総合センター紀要, 28, 39 – 47, 2018
*3森有希, 植松拓: 中学校における役割演技を用いた道徳授業に関する効果の検討, 高知大学教育実践研究, 32, 169-178, 2018 
課題解決のためにやるべきこと発問と役割演技等の表現活動に演出技法を応用した、新しい道徳教育手法の開発する。
・演劇やドラマを用いた教育手法論においても、特に演出技法に着目した手法の整理や開発 
・構築した道徳教育手法を小中学校の実際の教室で実践し、その効果を定性的および定量的に測定する。 ・授業実施の前後のスコア比較*4等に留まらず、実験群と対照群の比較分析や参与観察などにより、その効果を科学的に実証することを試みる。 ・小中学校における実践により、構築した道徳教育手法の現場での実用性に関するフィードバックを教員から得ることにより、乖離の起こりやすい理論(研究)と実践(教育現場)の知恵を融合した 道徳教育手法を確立 *4木村友美, 池島徳大: いじめ防止の視点に立つ道徳の時間の指導と効果に関する研究, 奈良教育大学教職大学院研究紀要「学校教育実践研究」, 9, 31-39, 2017 
これまでの取り組み